オルソケラトロジーはどういう人に向いていますか?
オルソケラトロジーによる近視矯正治療は、新陳代謝が活発で且つ近視の進み易い10代の方で、近視および乱視度数の軽い方に特にお薦めです。身体を激しく使うスポーツをされる方等にも向いています。
逆に30代以上の方で高度の近視もしくは乱視をお持ちの方、特に起床時〜就寝時まで安定したシビアな視力が要求される方にはあまり向いていません。
治療効果はどのくらいであらわれますか?
近視もしくは乱視度数の強さによって個人差はありますが、若年者で裸眼視力が0.3程度の方であれば、テスト装着時間中に1.5くらいまで視力回復することもあります。しかし、効果の持続を考えると一般的には、1週間ほど装着し続けなければ安定した視力は得られません。数ヶ月にわたって治療を続けていると、2日に1回程度の装着で、良好な視力を維持することができる場合もあります。
人によってオルソケラトロジー治療の効果のあらわれ方に違いはありますか?
近視、乱視度数の強弱や年齢、睡眠時間等生活パターンによっても効果の現れ方は異なります。近視、乱視度数が軽度の方、若年者の方ほど効果は早く顕著に現れ、その後も良好な視力が維持できる傾向にあ ります。
矯正レンズをはずした後、効果はどれくらい持続しますか?
個人差はありますが、1回目の装着で翌日の昼くらいまで効果が持続します。
装着する期間が長くなれば持続力が次第に延長し、一般的には一週間ほどで日中裸眼で生活できるようになります。
もちろん、この効果も年齢や近視の強さによって個人差があり、子供や近視の軽い方は翌日から完全に矯正できる場合もあります。ただし、反面睡眠時間を十分に取れない方などは、一週間では完全な効果が出ない場合もあります。
効果がない場合もありますか?
強い近視の方や高齢者の方でも効果は必ずあらわれます。ただ、近視や乱視が軽減しても日常生活に必要なレベルの視力まで到達できない場合、もしくは必要な視力を終日維持出来ない場合があります。
痛みはありますか?
コルセット効果を利用するため、初日はゴロゴロとした異物感を感じることがあるかもしれません。それを和らげるために痛み止めの目薬を使用していただく場合があります。また痛みや異物感を感じると涙が出てきますが、大量の涙は治療効果を弱めます。我慢せずに眼科医から処方された点眼薬をさして和らげてください。
1日の装着時間はどれくらい必要ですか?
6時間程度は必要です。
日中の装着は大丈夫ですか?
基本的には夜間就寝時だけに装着してください。昼間も続けて装用を望まれる場合は、レンズの種類や合わせ方が変わりますので事前にドクターにご相談ください。
毎日装着しないといけませんか?
毎日の方もいれば、一週間に1〜3回で十分という方もいらっしゃいます。近視の強さや年齢によって、装着の頻度は異なります。
ドライアイ・アレルギー性結膜炎などでも大丈夫ですか?
オルソケラトロジーはドライアイやアレルギー性結膜炎に対する影響が比較的少ない手法です。ドライアイやアレルギー性結膜炎をお持ちの方は来院時に御相談ください。眼の状態によっては治療を行い、ある程度軽快した後にオルソケラトロジーをお試しいただく場合もあります。
昼間に使用する通常のコンタクトレンズと比較してどのようなリスクがありますか?
角膜、結膜等眼の組織に対する障害を起こすリスクに関しては、通常日中に使用する高酸素透過性ハードコンタクトレンズを日中に通常使用される場合と同程度〜より低いリスクであると考えられます。見え方に関しては、就寝時のレンズ装着状況(枕に押されて少しズレていたり、非常に稀ですが就寝時にレンズが外れてしまっている事もあります)によっては翌日よく見えないという事も起こり得ますので通常日中に使用するコンタクトレンズ、眼鏡と比較してやや高いリスクがあると考えられます。
効果があるのは近視だけですか?
矯正効果の中心はやはり近視ですが、近視の半分程度の強さの乱視なら十分に矯正効果が期待できます。しかし、残念ながら遠視には効果がありません。
レンズの寿命は?
通常の高酸素透過性ハードコンタクトレンズと同じくらいと考えてください。通常2〜3年で交換する必要があります。(但しレンズ寿命は個人差が大きく、ごく短期間で交換を要する場合もあります。また、レンズの寿命の前でも近視の進行に伴い、買い換えの必要が生じる場合があります)
オルソケラトロジー治療はどの病院でも受けられますか?
通常のコンタクトレンズとは異なり、トレーニングを受けた専門の眼科医のところでなければ治療を受けることはできません。
レンズケア用品について教えて下さい。
特殊なレンズですので、ケア用品は全て専用のものをご使用ください。